私は大学2年生のときから低用量ピルを服用しており、現在服用8年目になります。
ピル服用のリスクとして有名な「血栓症」ですが、私はその中でも「深部静脈血栓症」と診断されてしまったため、3週間ほど病院に長期入院することになりました。
今回は「ピル服用」という観点から、血栓症を発症した私の体験談をお話ししたいと思います。
書いた人:てらはる
✅自然が大好きな自転車系YouTuber
✅社畜エンジニアとして製品開発に勤しむ
✅夢は地元の山梨でサイドFIREすること
本記事の内容はYouTube動画でも話しています。是非見てみてください。
ピルを始めたきっかけ
冒頭の通り、私は大学2年生のときから最近まで約8年間低用量ピルを服用していました。
ピルの服用を始めた理由は2つあります。
月経周期のコントロールのため
大事なイベントの日に生理になってしまった…(´;ω;`)
女性なら誰しも、一度はそんな経験があるのではないでしょうか。
私の趣味は登山で、大学時代に山岳部に所属していました。
山岳部では日帰り登山もありますが、ほとんどは1泊2日以上の登山で、長い場合は2週間ほど山に籠ったこともあります。
「もし2週間の山行中に生理が来てしまったら…」
と考えると恐ろしいです。
また私はロードバイクも大好き。
「もしロードバイクのレースと生理が被ってしまったら…」
おそらく実力のすべてを出し切れないでしょう。
スポーツが好きな女性にとって、月経周期のコントロールができるのは大変ありがたいことです。
月経の痛みや量を軽減するため
生理痛が辛くて仕事にならないし、漏れていないか心配…(´;ω;`)
私は元エンジニアで、常にデスクワークをしていました。
エンジニアは男性が多い職場ですし、長い打ち合わせや出張などで、なかなか席を立てないことも多くあります。
生理が重い日は、下腹部の痛みと漏れていないかどうかの心配で、仕事どころではない日も多くありました。
ピルを飲めば、生理の痛みと量を軽減できるということで、私は迷わず服用することにしました。
ピルの入手方法
最初は近くの婦人科に行き、診察を受けました。
簡単な問診を受けた後、特に採血などの検査もなく、簡単な注意事項を説明された後、ピルを処方されました。
2回目以降の受診でも、診察→ピル処方の流れは変わりませんでしたが、待ち時間約1時間に対し診察時間は30秒程度。
特に変わりないですか?ではいつものを処方しておきますね~。
「1時間も待つのに診察が30秒って…。これ病院受診する意味あるかな?」
待ち時間に辟易した私は、待ち時間がないピルのオンライン診療アプリ「スマルナ」を利用することにしました。
低用量ピル | オンライン診療 【クリニックフォア】 クリニックフォアグループ (clinicfor.life)
スマルナは、オンラインで医師による診察を受けられ、ピルを郵送してもらえます。
定期便を使えば、忙しくても病院で長時間待つことなく、ピルを手に入れられます。
私はこのアプリを使ってピルを服用していて、体調面で特に問題がなかったので、5年ほどずっと愛用していました。
この選択が後々悲劇を生むとはつゆ知らず…。
ピルの種類
ファボワール錠28
ニキビに特に効果のある低用量ピル
低価格で安全なピル|四ツ谷レディスクリニック – 東京都千代田区の痛くない、怖くない、産婦人科の相談室 (yotsuya-lc.com)
約8年間、他のピルを服用することなく、ずっとこのファボワール錠28を服用していました。
ピル服用中の生活
低用量ピルを飲むと、生理はなくなりますが、代わりに消退出血というものがあります。
生理に対して、経血量や日数がかなり減るので、とても楽になりました。
また消退出血がイベントに重ならないよう、周期をコントロールすることも可能です。
ピルの休薬期間を調整することで、長期山行やロードバイクレースと被る心配がなくなり、予測した日に必ず出血があるので、管理もとても楽になりました。
悩んでいたニキビが減ったし、子宮がんや卵巣がんの予防にも効果があるらしい。
最高の薬じゃん!!
血栓症のリスクがあることは知っていましたが、こまめな水分補給や運動をしっかりしていれば問題ないと思っていました。
会社では常に水筒で水分補給、週に3回はジムでトレーニング+週末はロードバイクで峠を攻める生活をしていたので、何も心配していませんでした。
血栓症が発覚
ピル内服中は、症状に注意していく必要があります。血栓症は初期症状がいくつかあります。
- ふくらはぎのだるさが取れない
- ふくらはぎなど足全体が痛む …etc
上記のように痛みやだるさなどが続く場合には、血栓症の危険性があるので、出来るだけ早く病院へ受診するようにしましょう。
ピル服用で血栓症のリスクは高い?起こりうる症状と注意すること | カラダマモル.com (karada-ma-moru.com)
上記の内容を私は知っていたのですが、何年も飲んでいてまさか自分が血栓症になるとは思っておらず、足が痛くて歩けなくなってしまってもなお、
「ばい菌が入って股関節に炎症が起きているんだな…」
くらいにしか思っていませんでした。
血栓症で緊急搬送されたときの体験談は下記をご覧ください。
診断内容と治療
入院した総合病院で、下記のとおり診断されました。
病名:中枢型深部静脈血栓症(膝から腸骨まで大腿部) 原因:デスクワークとピル服用 治療期間:約半年 治療内容:抗凝固薬イグザレルトの服用、弾性ストッキングの着用
私の場合、症状は足のみで息苦しさなどはありませんでした。
CT検査やエコー検査の結果を見ても、血栓が肺に飛ぶ「肺塞栓症」は発症していないとのことで、ひとまずは安心しました。
入院初日から現在まで「抗凝固薬」と呼ばれる血液をサラサラにする薬を服用して、血栓を溶かす治療を続けています。
他にも「弾性ストッキング」と呼ばれる着圧ストッキングの強化版ストッキングを日々着用しています。足の血流を促進することで、血栓を溶かす役割を果たすそうです。
血栓はできるのは早いが、溶けるのは時間がかかります。
これは主治医に言われた言葉です。
足が痛くて歩けないという症状自体は、1週間程度でなくなりました。
しかし症状がなくなったとしても、血栓はなかなか溶けてくれないようで、一般的にも約半年は治療の必要があるようです。
またその期間、血栓がはがれて肺に飛んでしまい急に意識を失う可能性がないわけではありません。
血栓症により人生が変わった
私はちょうど転職期間中に血栓症にかかったので、
- 健康保険証がない無保険状態での入院となり、高額な医療費請求となる
- 転職による引っ越し作業中の入院となったため、周囲の人に多大な迷惑をかける
- 転職先の就業開始日に間に合わず、病気療養が必要になったため、内定を辞退し無職となる
- せっかく引っ越したのに病気療養で実家に帰ることになったので、1週間で部屋を引き払う
ということで、まさに弱り目に祟り目。
ここ数年の不幸をすべてかき集めたかのような日々を過ごすことになりました。
入院費はなんと58万円!
かなりショックでしたが、この後、保険の遡り加入や限度額適用認定証の発行などで費用はかなり下がりました。本当によかった。
もし血栓症にかかっていなかったら、私は予定通り転職先でバリバリ仕事をしていたことでしょう。
しかし血栓症を経験した今、私はたくさんのものを失うことになりました。
ピルを服用中・服用を検討している方へ
水分補給、運動、定期的な採血ができて、家族に血栓症の人がいなければいいと思います!
私に足りなかったのは「定期的な採血」と「遺伝の可能性確認」だと思います。
私はいつもオンライン診療でピルを入手していたため、採血による血液検査を行っていませんでした。本来なら定期的に病院に行き、検査をすべきでしたが、それを怠っていたのは私の失態です。
血液検査をすれば、ピルを飲むべきではない体質であることや、血栓ができかかっていることなどが事前に分かったはずです。
また家族に脳梗塞や心筋梗塞などを発症した人がいれば、自分も血栓症のリスクが高いことになります。
まず血栓症にはならないでしょ、という期待を持ってしまったことが良くなかったのだと反省しています。
この記事を読んでいる、ピルを服用中・服用を検討している皆さんは私のようになりませんように。
血栓症にならない対策をするよう、心がけていただけると嬉しいです。
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